積立投資を始めようとすると必ず直面する疑問、「オルカン・S&P500・NASDAQ100のどれを選べばいい?」。
この記事では、月3万円を毎月コツコツ積み立てた場合のシミュレーション結果をもとに、3つの指数を1年〜20年の投資期間別に徹底比較します。
数字はすべて「つみたてタイムマシン」で算出した過去データに基づくシミュレーションです。
① 月3万円積立シミュレーション比較
毎月3万円を積み立てた場合の資産推移を、1年・5年・10年・15年・20年の5パターンで比較しました。 すべて初期投資ゼロ・毎月末積立の条件で、各月の為替レート(USD/JPY)を反映した円換算ベースの数値です。
現在価値・損益率の比較
開始年月から2025年4月末時点での試算結果です。
| 積立期間 | 総投資額 |
オルカン 現在価値(損益率) |
S&P500 現在価値(損益率) |
NASDAQ100 現在価値(損益率) |
|---|---|---|---|---|
| 1年 2024-05〜 |
36万円 |
約37万円 +3% |
約40万円 +12% |
約41万円 +14% |
| 5年 2020-05〜 |
180万円 |
約285万円 +58% |
約350万円 +95% |
約445万円 +147% |
| 10年 2015-05〜 |
360万円 |
約690万円 +92% |
約920万円 +156% |
約1,230万円 +241% |
| 15年 2010-05〜 |
540万円 |
約1,050万円 +94% |
約1,680万円 +211% |
約2,400万円 +344% |
| 20年 2005-05〜 |
720万円 |
― ※データ期間外 |
約2,850万円 +296% |
約4,100万円 +469% |
※ オルカン(ACWI)はデータ取得可能な最古が2008-01のため、20年間試算は対象外です。
※ 損益率=(現在価値 − 総投資額)÷ 総投資額 × 100
📌 ポイント:期間が長くなるほど複利の効果が大きく、特にNASDAQ100は10年以上で圧倒的なリターンを示しています。 ただし後述するように、その分リスク(下落幅)も大きい点に注意が必要です。
🔍 実際にシミュレーターで確かめる
年率リターン(CAGR)の比較
CAGRとは「年平均成長率」のことで、複利を加味した実質的な年間リターンの目安です。 積立投資では購入タイミングが分散されるため、指数そのもののCAGRとは異なる点に注意してください。
| 積立期間 | オルカン CAGR | S&P500 CAGR | NASDAQ100 CAGR |
|---|---|---|---|
| 1年 | +3% | +12% | +14% |
| 5年 | +9% | +14% | +19% |
| 10年 | +7% | +10% | +13% |
| 15年 | +7% | +10% | +12% |
| 20年 | ― | +8% | +11% |
投資期間中の最大下落局面(参考)
各指数が過去に経験した主要な下落局面と最大下落率を示します。 積立投資の場合、下落時に安く買い増せるため、ポートフォリオ全体の下落はこれよりも軽微なケースが多いですが、 「どれだけ大きな値動きがあるか」を知っておくことは重要です。
| 下落局面 | オルカン | S&P500 | NASDAQ100 |
|---|---|---|---|
| リーマンショック 2008〜2009年 |
−60% | −56% | −55% |
| コロナショック 2020年3月 |
−34% | −34% | −28% |
| インフレ・金利ショック 2022年 |
−26% | −25% | −35% |
| ITバブル崩壊 2000〜2002年 |
― | −49% | −83% |
※ 各指数の最高値からの最大下落率(ドル建てベース。円換算では為替の影響で前後します)。
※ オルカンのデータ取得可能範囲は2008年1月以降のため、ITバブル崩壊期は対象外。
② 各指数の特徴と構成銘柄
オルカン MSCI ACWI(オールカントリー・ワールド・インデックス)
- 構成銘柄数:約2,900銘柄(50カ国以上をカバー)
- 地域配分:先進国+新興国を網羅。米国が約60〜65%、日本が約5〜6%、イギリス・フランス・カナダなど先進国が残り。
- 主要構成銘柄(上位):Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta(いずれも米国株)。上位10社で全体の約20〜22%。
- 対応する主な投資信託:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
S&P500 S&P 500 Index(スタンダード・アンド・プアーズ500)
- 構成銘柄数:米国大型株500銘柄
- 対象:米国株式市場の時価総額上位約80%をカバー。採用は委員会審査制で、財務健全性・流動性・上場期間などの基準を満たす銘柄のみ。
- 主要構成銘柄(上位):Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta、Alphabet(Google)、Berkshire Hathaway、Tesla、Eli Lilly、Broadcom
- セクター構成:情報技術約31%、金融約13%、ヘルスケア約11%、一般消費財約10%など幅広い
- 対応する主な投資信託:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
NASDAQ100 NASDAQ-100 Index
- 構成銘柄数:NASDAQ市場上場の非金融100銘柄(米国株が約60%、外国株を含む)
- 特徴:「金融セクターを除く」ため、テクノロジー・AI・バイオテックなど成長性の高いセクターが中心。
- 主要構成銘柄(上位):Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta、Alphabet、Broadcom、Tesla、Costco、Netflix
- セクター構成:情報技術約57%、通信サービス約17%、一般消費財約14%など。テクノロジー偏重が顕著。
- 対応する主な投資信託:eMAXIS Slim 米国株式(NASDAQ100)、iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
🔍 10年積立シミュレーションを試す
③ あなたに合う指数はどれ?
3つの指数はリターン・リスク・分散度合いがそれぞれ異なります。 投資の目的や性格に合わせて選ぶことが、長期的に積立を続けるコツです。
- ✅ 「投資は始めたけど、あまり値動きを気にしたくない」
- ✅ 「米国一強がいつか終わるかもしれないと心配している」
- ✅ 「世界経済全体の成長を取り込みたい」
- ✅ 「とにかくシンプルに・1本だけで運用したい」
- ✅ 「長期投資に迷ったらオルカン」という定番選択肢
3指数の中で最も値動きが穏やか。どの国・どのセクターが伸びても自動的に恩恵を受けられる「全天候型」の設計。 特定国への集中リスクを避けたい人や、投資初心者に最も広く推奨される指数です。
- ✅ 「AppleやMicrosoftが今後も成長すると信じている」
- ✅ 「オルカンより高いリターンがほしいが、NASDAQ100ほどリスクは取りたくない」
- ✅ 「金融・ヘルスケアなど、セクター観点でも分散投資したい」
- ✅ 「過去30年で米国株が世界をリードしてきた実績を重視する」
過去実績ではオルカンを上回るリターンを記録。ただし「米国集中」であるため、米国経済の停滞時には オルカンより大きく下落するリスクがあります。米国への信頼が揺るがない人向けのバランス型選択。
- ✅ 「AI・テクノロジーの時代はまだまだ続くと確信している」
- ✅ 「30〜40%の下落があっても絶対に売らず保有し続けられる」
- ✅ 「10年〜20年という超長期で積み立てる前提がある」
- ✅ 「多少のリスクを取ってでも、大きなリターンを狙いたい」
長期では3指数中トップのリターン実績ですが、ITバブル崩壊(−83%)や2022年金利ショック(−35%)など激しい下落も経験。 「下落時こそ買い増せる」という確固たる信念と、長期保有の覚悟がある人向けです。 初心者がいきなり全額NASDAQというのは危険で、S&P500やオルカンとの組み合わせも有効です。
「どれか1つ」に絞れない場合は?
実際には1つに絞る必要はありません。例えば、 「オルカン50% + NASDAQ100 50%」のように組み合わせることで、 分散性を保ちつつ成長性も取り込むことができます。 つみたてNISAでは複数ファンドを組み合わせて購入できるため、自分のリスク許容度に合わせた配分を検討してみてください。
④ 自分の条件でシミュレーションしてみよう
この記事で紹介したデータは「月3万円・特定の開始年月」という条件での試算です。 実際には積立額・開始時期・積立ストップ期間をカスタマイズすることで、 あなた自身の状況に合ったシミュレーションができます。
つみたてタイムマシン で試す
開始年月・積立額を変えて、あなたの積立シミュレーションを無料で試算。 過去のリーマンショックやコロナ禍に積立を止めたときの機会損失も可視化できます。
まとめ
- 📊 長期(10年以上)になるほど3指数の差は拡大。NASDAQ100の成長性が際立ちます。
- 🛡️ 最大下落率はNASDAQ100が最も大きく(2022年−35%、2000年代−83%)、メンタル管理が重要。
- 🌍 オルカンは全世界分散で最も穏やか。「どれにするか迷ったらオルカン」は合理的な選択。
- 🏛️ S&P500はオルカンとNASDAQ100の中間。米国経済への信頼があるならバランスの取れた選択肢。
- 🚀 NASDAQ100はハイリスク・ハイリターン。長期保有の覚悟と、下落時に買い増す精神力が鍵。
本記事のデータはすべて「つみたてタイムマシン」を用いた過去データに基づくシミュレーション試算値(2025年5月時点)です。 過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。